雨漏りを正確に理解するためには、本当に建物を総合的に理解する必要があることを痛切に感じながら続けていた雨漏りレスカーでの活動、その後ある出会いがありました。
その出会いは1通のメールからでした。
「始めまして、私は神奈川県川崎市にて雨漏りに取り組んでいる・・・・・」
メールの主は、現在、雨漏り110番を主催する代表の唐鎌氏からのメールでした。
浜松に出張に行くことになり、雨漏りレスカーの活動も見ていて、是非会いたいとの内容だったのです。
しかし、それこそ雨漏りレスカーでの活動により感じていたこと「あまりにも自己中心の人が多い事」に憂慮していた私でしたから、会いたいと言う話も、疑うようにたいへん高飛車なメールの返信をしたのです。
「御社HPを拝見させていただきましたが・・・」
メールの内容は割愛させていただきますが、雨漏りに取り組んでいると言われても、素直に信じる事が出来ず、失礼なメールを送ったのですが、そこは大人の対応で丁寧な返信があり、お会いすることとなったのです。
後日、当社からほど近いファミレスでお会いして話すことおよそ2時間、雨漏り真剣に取り組んでいるかどうか、そこは実務に関わる人間だから判ることもあり、直接話をすることにより、私の誤解が解けたのでした。
ただ、私が失礼なメールを送ったことは差し置いて・・・(苦笑)
このことが、私が雨漏り110番に参加するきっかけであり、スタートでした。
雨漏りレスカーで経験した多くのご相談、それは対価を頂くことなく、ただただ日本中の何処の誰か判らない相手からの相談を受け続けるという、本当にボランティア活動のようなものでした。
ただ、多くのご相談を受けるという事は、やりたいと言ってもできることの無い貴重な経験ですから、これはボランティアではなく、勉強の機会だったと思っています。
住まいが雨漏りをして困っている、それが直らないと言う、場合によってはノイローゼのような状態に陥っているケースもあるなかでのご相談ですから、それを勉強と言っては相談者の方々に大変失礼ないのは重々承知しているのですが、相談を通じて雨漏り解決への道筋が少しでも見えると、大変喜んでいただけることもあり、そこはお許しいただいていたのです。
そしてこの経験を活かし、お客様からのご相談はもちろんですが、雨漏り110番グループ技術統括本部長という役割にて、グループ内メンバーへの調査や修理の助言や技術指導を行い、グループ全体のさらなるレベルアップを目指しています。
しかし、そもそも雨漏りに取り組む技術力のあるメンバーが揃っているにも関わらず、なぜ助言や技術指導が必要なのか?
それは、多くの経験を積めば積むほど、知識が蓄積されればされるほど、雨漏りというものは難解になっていくと言う、不思議な現象があるからなのです。
これは、たいした経験が無かった頃には気がつかなかったような瑕疵に気がつくようになるという、経験を積んだものにしか判らないことなのですが、反面、知識が無い人ほど、簡単に判ったような錯覚に陥るという、実は大きなリスクを抱えてしまうのも、雨漏りに関わるものの宿命なのかもしれません。
このような経験の積み重ねをし、日々レベルアップのための研鑽を積む姿勢、プロを名乗る以上、それは当たり前の話なのですが、プロという看板に溺れてしまうと、自分の未熟さに気がつかなくなってしまうのも、雨漏りの調査や修理が、他の人に簡単に出来ないことだからこそかも。
全ては雨漏りで困っている方々の役に立ち喜んでいただくために、メンバー全員、愚直に努力を重ねるだけの、当たり前の繰り返しなのですが・・・。
完
住まいの雨漏り 5 浜松店