前回からの続きで、玄関の天井からの雨漏りです。
今回は前回仮説を立てた箇所に雨漏り再現調査(散水調査)を行い雨水の浸入位置はどこからなのか検証していきます。
サッシの下の外壁や入隅部分に散水を行いましたが、雨漏りの再現はありませんでした。
次に、サッシと外壁の取合い部に雨漏りの再現調査(散水調査)を行います。
2×4の建物なので、1箇所に散水する時間は2時間の計画で行います。
すると1時間半経過した後に
テープの上の梁とのすき間部分から雨水が浸出してきました。
雨水の浸入位置の一つはサッシ廻りからです。
ここで雨水の浸入位置が分かったからっと言って雨漏り再現調査は終了ではありません、複数浸入雨漏りの可能性も考えます。
※「複数浸入雨漏り」とは・・・雨水浸入位置が複数で、雨水浸出位置が1箇所の雨漏りの事
続いて壁止まり役物がおかしなおり方をしている部分へ水が流れる様に散水を行います、またヒアリング時に雨量が多く風を伴う雨の時には漏ってくるとの事でしたので
シャワーヘッドを2つ使い水量を多くして散水を行います。
すると10分も掛からないで雨水が浸出してきました。
アングルを変えて確認すると、水滴も見えます。
念のためにサーモグラフィーで撮影すると
水が伝っている部分の温度が低く表示されます。
更にここで散水調査を終わらせずに検証します。
壁止まり役物に雨水が掛からない場合はどうなるのか
大屋根の軒が有る為、壁止まり役物に掛かる雨水の量が減るのでは
この状態で2時間散水を行いましたが、雨水の浸出は確認できませんでした。
ここで、雨水の浸入位置は2箇所で雨水の浸出位置は1箇所の複数浸入雨漏りで有ることが確認できました。
しっかりと仮説を立て、それを検証して雨漏りの原因を探して行きます。
散水調査をして原因が分かってから修繕工事を行った方が結果として雨漏りを解決するための近道であることがご理解いただけたら幸いです。
雨漏りを止める為には前回と今回のコラムのように仮説を立て、それを検証し、原因を探し出す、その後に修繕工事を行う。
この様な流れが雨漏りを解決するためには必要であると考えております。
雨漏りでお困りの時は、雨漏り診断士の資格を持った雨漏り110番がお伺いして
困ったの解決のお手伝いが出来ればと思っております。