雨漏り110番大田店の倉方です。
今日は雨漏りの事例でも比較的多い、ベンドキャップからの雨漏りについてつぶやきます。
まず、ベンドキャップとは?
建物の外壁に取り付ける給排気口に取り付ける部材です。形は丸形、深型などがあり、ステンレス、樹脂などの材質で出来ています。
この丸形のベンドキャップ、上からの雨には強そうですが、吹きつける雨などの場合、室内に雨が入ってしまう場合があります。また、建物の立地で巻き上げるような雨の場合も同様に雨が入ってしまい、雨漏りとなってしまう場合があります。
室内側からの写真です。少しわかりにくいですが、外壁と室内を貫通している塩ビ管に水の溜まった痕跡があります。
こちらの建物ではここから雨が侵入し、壁にシミが発生していました。
そこで、丸形ではなく深型というベンドキャップに交換する事にしました。
丸形に比べると吹きつける雨や巻き上げる雨でも雨が入りにくそうですよね。
しかし調べてみるとこの深型にもメーカーによって若干違います。
左と右、下がりの長さが違いますよね。
通常の深型では貫通している部分からフードの下まで約2.5cm
もう一つの方は約4.0cm
この約1.5cmの差が雨水の侵入に大きく左右します。
同じ深型でもより雨漏りに強いタイプをチョイスする。
通常タイプのものは建材屋さんで通常に販売しているものです。その日に丸形から深型へ交換すべく購入したものですが、貫通部とフード下の距離が短いことに違和感を感じてしまい、もう1箇所別のところから深型を取り寄せました。
なぜそこまでこだわるか?
この雨漏りのメカニズムを考えたときに
① この通気口は自然通気。
② 吹きつける雨、隣の建物との関係で雨が巻き上がることで丸形では雨が入ってしまう。
③ 激しい雨の時、窓を閉め切っている。しかもこのフロアーには台所がある。
→ということは台所の換気扇を使用すれば室内は負圧になる。
→押し込まれる雨と室内に空気を取り込もうとする通気口。
→負圧で発生している雨漏りも考えられます。
よって、すこしでも貫通部からフード下までの距離が必要でした。
誤解のないようにしますが、通常の深型が悪いというわけではなく、こういった雨漏りの条件を考えたときにより深い形のものの方が雨漏りのリスクが少しでも軽減できると思った訳です。
一見、丸形のベンドキャップだから雨が入った!と単純に思ってしまいますが、そのメカニズムまで考査することが大事なのです。