過去に2度補修を実施した結果、雨漏りはほぼ改善した。・・・と思われていた。
が、しかし、先日の深夜の強風を伴う雨の時にまたしても雨漏りが発生してしまった。
そう、同じ場所から。
以前に比べると浸出雨量は少なくなっているようなので、今まで行ってきた対策はそれなりに効果があったと思われた。
今回の事例は、いわゆる「複数浸入雨漏り」だと考えられ、まだどこかに雨の入り口が残されているのだと考えられた。早速、散水調査を再度執り行い原因の究明を行う。
結果は、写真の位置への散水により雨漏りが再現されたので、ここに原因が残されていると判断した。サッシの水切り金物の端末にある小口キャップの隙間から雨は浸入しているようだ。
水切り金物の下部は既にシーリングで塞がれているので浸入した雨が外部に排出される事は期待できない。かと言って、そこを開放することは雨の浸入口を復活させる意味合いもあるため容易にシーリングを撤去することもできない。
補修方法として小口キャップと水切り金物の隙間を現状のままシーリングで処理する事も考えられるが、それには厚みが不足しているため小口キャップを撤去した上でシーリング作業を行う事とした。(建物は鉄骨ALC造)
当然ながら、水切り金物の内部には空間が存在し、浸入した雨は巾木内部を室内方向に移動する。その先には防水層の立上り端末が存在すると考えられ、おそらくその防水端末を乗り越える経路で雨は防水層の裏に到達し浸水していたことが想定できた。
特に「複数浸入雨漏り」の場合、“再発”という形で雨漏りが発生するので時に混乱を招くが、冷静な状況判断を心掛ければ“原因を絞り込んでいる途中”であるという認識に至るはずである。
雨漏りを是非とも解決したいという気持ちは、建物のオーナー様はもちろんのこと、見つける側も同じである。たとえ“再発”に見える現象でもお互いの信頼関係と諦めない気持ちがあれば解決できない雨漏りなど存在しないのだから。