RCの賃貸マンションの3階の居室天井から雨が漏るようになったとの事で調査を行いました。
RC造で上階も居室であるにも関わらず天井から雨が漏って来るということで天井点検口を取り付けて内部状況を確認することにしました。
まず、天井のボードを取り外してビックリ!
上階の床フローリングの裏が見えるではありませんか!木造でもないのに!
正確には「スミポインター※」の穴から上階の床下が見えたということです。
そして、その穴と周辺のクラックから雨が浸出した形跡がありました。
雨の浸水経路としては、4階の外壁に取り付けられている給湯器の各配管(給水管、給湯管、ガス管)の壁面貫通部から室内側に浸水、内装壁ボードと躯体の隙間を落下した雨水は床下エリアに移動、水溜りとなった後、当該クラックやスミポインターの貫通穴から下階に落下したという訳です。
今まで、新築時から十数年間、誰にも気づかれる事がないまま穴は存在していたようです。「開いた口がふさがらない」というか「開けた穴をふさいでない」という事が今回の雨漏りのおかげで判明したという訳です。
スミポインターはRC造の建物の躯体築造時に下階から基準墨を上階に移すための仮穴です。お役目終了後はモルタルなどを詰めて塞がなくてはなりません。工期が無かったのでしょうか、慌てて内装工事を進めたのでしょうか、誰にも気付かれる事無く建物は竣工を迎えたようです。
今回は、4階の雨漏り原因に対処すると同時にスミポインターの穴もモルタルで埋めさせて頂きました。
止水処理を施した上で。もしかして、スミポインターは誰かに気付いてほしかったのかもしれません。
「開きっぱなしだよっ」て。長らくお役目ご苦労様でした。
※「スミポインター」で検索すると詳細が解ります。