鉄骨ALC造の外壁塗替えなどのタイミングでは同時に目地シーリングの処理を行う事が多いと思います。
ALC同士の版間目地については、過去に増し打ちを行っていなければそれなりの厚みを確保できますし付着面積も問題ないレベルで施工できると思われます。(3面接着の話は置いておくとして)
ところがサッシ廻りも版間目地と同じように「増し打ち」で収めていいのでしょうか?
特に上端と縦方向ですが、「増し打ち」だとシーリングは薄くなりますよね?
多くの場合、ALCの建物にはALC用のサッシが付いています。RC用や木造用のものと違い外枠幅が少し厚く設定されています。何より、サッシ外面とALC外面の出入り寸法の差は10mmとほぼ決まっています。
よって、そこにシーリングを無理やり増し打ちすると緩勾配の三角形の断面を持つシーリングになりサッシ側の接着面積と厚みに難が生じます。(やはり3面接着の話は置いておくとして) ※図参照
薄いシーリングは耐候力が弱く短期間で劣化したり付着力が低下したりしますので、もともと雨漏りの原因がそこに存在していた場合は再発のリスクがあります。雨漏りとは無関係だとしても周辺に浸水していきますのであちこちで劣化が加速する可能性が高くなると言えるでしょう。
ALC造の場合、せめてサッシ廻りだけは「増し打ち」ではなく、「打替え」とした方が耐用年数はより永くなるはずです。シーリングは縦横比も去る事ながら厚みも重要ですから。