赤外線サーモグラフィーだけで雨漏りの原因が分かるのか?
赤外線サーモグラフィーのメリットは
- 対象面の温度分布を画像表示できる。
- 非破壊、非接触で温度測定ができる。
- その場で温度分布を確認できる
等があげられます。
では実際に雨漏りしている建物をではどのように映るのか?
下の写真のサッシの両脇部分から、室内で雨漏りをしています。
室内側のサッシの枠部分が「雨水浸出位置」になります。
では次に、サーモグラフィーの画像です。
同じ位置で撮影しておりますので、黒矢印部分が「雨水浸出位置」になります。
確かにサッシの上の外壁部分の温度は他の外壁に比べて低くなっていることは確認できます。
また、ALC版の版間の目地部分も紫色になっており、外壁面より温度が低いことが分かります。
但しこれは、他に比べて温度が低くなっているという事実が分かるということなのです。
では実際に、どこからこの外壁に雨水が浸入して雨漏りをさせているのかこの画像だけでわかるでしょうか?
赤外線サーモグラフィーの画像だけでは、「雨水浸入位置」までは特定できないのです。
「雨水浸入位置」が特定できなければ、確実に雨漏りを止めることは出来ません。
また、サッシに漏ってくる雨漏りの原因は、1箇所だけとは限りません。
複数箇所から雨水が浸入して、サッシの所の1箇所に雨水が浸出してくる「複数浸入雨漏り」のパターンもあるのです。
機械に頼るだけではなく、しっかりと現場の状況を確認して、建物の構造を把握して積み重ねた経験に基づいて、原因を特定させなければ雨漏りは止められません。
赤外線サーモグラフィーは、補助の道具としては有効だと思いますが
万全ではないことを知っておくことが非常に重要です。