工事をしてからでないと雨漏り再現調査(散水調査)が出来ない場合もあります。
台風時など通常の雨とは雨の量や風の強さ、降っている時間の長さが違う雨の時などは雨水の浸入してくる位置は一つだけとは限らずに、複数から建物内に雨水が浸入してくる場合があります。
上図は青矢印のように1階部分で複数から雨水が浸出しています。
水平面であるベランダの床からの雨水の浸入も考えられますし
垂直面である外壁や、開口部廻りからの雨水の浸入も考えられます。
ここで雨漏り再現調査(散水調査)を行うとき、ベランダ床面をまず散水調査して床面から雨漏りを再現した場合、果たして外壁面の散水調査を行うことは出来るのでしょうか?
ベランダの床面をいくらしっかりと養生したとしても、水が廻り込んでしまう可能性が考えられます。
そうすると、雨水は、外壁から浸入したのか?はたまた先に分かっていたベランダ床面から浸入したのか検証することが難しくなってきます。
そこで今回は、ベランダの床面をまず防水工事を行い、その後に防水した床面からは雨水が入っていないことを確認してから外壁面の散水調査を行いました。
↑防水工事後に散水調査を行い
↑漏水していないことを確認
↑外壁の目地部分に散水調査を行い
↑雨漏り具象を確認(具象とは雨漏りの具体的な現象)
この様に、雨漏り再現調査を行う場合でも、複数浸入雨漏りが想定できる場合には工事を先に行い、その後に雨漏り再現調査(散水調査)を行う場合もあります。(この場合は、この後外壁の修繕工事も行います)
何のために雨漏り再現調査(散水調査)を行うのか、雨漏りを確実に止めたい。その為にはしっかりと原因を特定したい。と思っておりますので、この様になる場合もあります。
工事を先に行ってから、調査を行う場合もあることは知っておいて頂きたいと思います。