ALCとは、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートの略称です。
鉄骨造の建物の外壁材として、非常にポピュラーな材料です。私たちは、外壁材に600mm幅毎の目地があれば「あ、ALCだな」と判断します。
この外壁材は、素材自体に断熱性や遮音性、耐火性があり、サイディングなどに比べて重厚な意匠(一見、鉄筋コンクリートの建物か?と思わせます 笑)が好まれてか、寒冷地である当地でも採用率が高いように思われます。
上記のメリットに対し、弱点もあります。
写真はALC版のひび割れと欠損の発生状況です。裏面には雨水が侵入しています。
まず、吸水しやすいこと。他の外壁材に対して、明らかに吸水性が高いです。水を含むと断熱性が極端に落ちます。というかゼロになります。更に寒冷地の冬季は昼に壁体内に含浸した水分が夜間凍って膨張、版自体の破損、欠損が生じる可能性が高くなります。
この症状を防ぐには、一にも二にもメンテナンス。
ALC版の表面に雨水の侵入を防ぐ防水型の塗膜を形成することが必須です。
ここで大事なのは、ただ防水塗料を塗れば良いというものではないことです。
ひび割れには、ひび割れ注入。欠損部には適切な材料を用いた断面修復。シーリングは切り取り撤去再シール。
工法的にはRC造の建物の補修方法に準じた施工が必要なのです。
こちらの物件の具体的な補修工事は、追ってアップします。