建築物は多くのプロの手を経て完成に至ります。
施主のヒアリングから始まり、設計者がプランニング、そして施工業者が建築図面を元に施工するという流れが一般的です。
当初設計の重要さと設計者と施工者の連携がいかに大事かを再度認識する場面に遭遇しました。
写真は新築住宅の外壁とサッシの取り合い入り隅部のものです。
入り隅にサッシが近接しています。
これでは防水の納まりとして、極めて危険です。
白く見えるのが外壁下地防水に当たる透湿防水紙ですが、ほとんど切れ端状態で、本来張られているはずの防水テープも施工されていません。
というかこの隙間では手が入らず、施工できません。
施主から「できるだけ窓を大きくしてほしい」との要望があったのでしょうか。
しかし、これでは建物の最も重要な機能である「雨風をしのぐ」という防水機能が不完全になります。
この後に及んでは、シーリングを充填して納めるしか方法がないのですが、設計者と施工者のミスマッチが将来の雨漏りトラブルの可能性を大きくしました。
我々はプロです。
なんでも言われたまま、客先の要望の通り仕事をするという事は、プロとしての責任を果たしていないと感じた案件でした。