先日、少し変わった調査依頼がきました。
依頼内容は、雨漏り修理をAさんに頼んだが、その雨漏り修理の内容が妥当であるかどうか雨漏り診断士として検証して欲しいとのことでした。
通常は雨漏りの侵入口を見つけて修理の依頼が仕事であり他人の雨漏り修理を妥当であるかどうか判断する事は正直な所、少し抵抗を感じました。
理由として
- 他人の仕事の粗さがしの様な気がする事
- Aさん(業者)と依頼主の紛争に巻き込まれる可能性がある事
以上の2点により失礼ながら、あまりのる気のしない内容でした。
ただ、依頼主の話によると屋根の雨漏りに塗料を塗って修理をしたという通常では考えられない内容に・・・修理にたずさわる者としてある意味、使命感の様なものを感じ今回の内容を受ける事にしました。
ただし、
- Aさんの修理内容が妥当であれば第三者(雨漏り診断士)として着色無しに報告書をあげる事。
- 報告書は依頼主に対する物であり紛争には関われない事をお話ししました。
おそらく、依頼主の方も十分に理解されているとは思いますが紛争の代理業務は弁護士さんであり私の仕事では無い事を改めて伝えました。
少し依頼主の方には厳しい内容のお話ですが、報告書を作る以上は事前に私どもの立ち位置を理解していただくことが依頼を頼む判断基準になるからです。
これらの事を承諾を頂いてから雨漏り診断士2名・1級建築士1名により診断を行いました。
今回の調査内容はデリケートな問題も含まれているので核心的な部分には触れませんが、雨を逃がす仕組みである雨仕舞には程遠い内容でした。
雨漏りが発生した場合、多くの方は身近な工務店・建設会社などに修理の依頼を発注しますが、建物を建てるプロと雨漏りを修理するプロとのすみわけがある事を多くの方に認知していただき、出来る事ならお客様が余計なトラブルに巻き込まれないことを切に願います。