建物の外壁は10年から15年に一度塗り替えを行ったほうがよいとされています。そして、その理由のひとつに、経年変化により外壁の防水性が失われており、それを取り戻させるためといわれています。
それについて、あえて断言します。外壁においても一般的に広く行われている塗装方法では、完全に水を防ぐことは期待できません。
その理由として、まず1つは完全な膜を形成しきれないこと、もう1つは塗装後に発生したひび割れなどは防げないことが挙げられます。そして、この2つの理由に共通するのが塗膜の厚みです。
塗布型防水材としてウレタン塗膜防水がありますが、この防水材の厚みは最も薄いものでも1.5㎜以上あることが求められます。反面、一般的な外壁塗装の塗膜は、およそ100ミクロン前後といわれています。髪の毛の太さと同じくらいです。100ミクロンとは0.1㎜ですので、「防水」と呼ばれる膜厚の最低ラインと比べても、その15分の1しか厚みがないことになります。そんな厚みでは切れ目のない塗膜を作ることはできません。また髪の毛の太さほどの塗膜では、ひび割れ程度でも建物の動きを制御することは不可能です。「塗装」は「防水」ではないのです。
したがって、塗装すれば雨漏りが止まると考えるのは誤りです。雨漏りに対しては、その原因をきちんと究明することが何より優先されるのです。
塗装は防水にあらず 藤沢店
2015/12/30