まさかの雨漏り事例~1
今回は珍しい雨漏り事例を二回に分けて、ご紹介したいと思います。
「玄関外の天井に雨染みが有り雨漏りしているので、一度見てほしい」とのご依頼を頂き現地調査に伺いました。
2年前に新築住宅を購入され、玄関庇(ひさし)の軒天井に雨染みがあることに気がついたとの事でした。
この家を建てた建築会社は倒産してしまい、住宅性能保証の調査会社もすでに赤外線調査を終えているそうです。
こんな具合に玄関庇の軒天井にはっきりと雨染みがでていました。
室内側も確認させて頂きましたが、雨染みやクロスの剥がれ、カビなどは確認できませんでした。
一番怪しいのは、玄関庇の防水と玄関庇の笠木部分の取合いかな?などと考えながら梯子をかけて玄関庇の防水層の確認を致しました。
ちょっとお掃除!
怪しいですが、目視だけでは解らない感じです。
玄関庇の笠木もアルミの既製品でシーリングも切れたり剥がれたりしていませんでした。
いろいろと入水経路を考えながらもう一度、雨水浸出位置へ
んっ?
ここで違和感を感じた方は、なかなか鋭い感覚ですね(笑)。
私も、まさかそんな事があるはずないと、自分で考えてしまった仮説を否定する材料を探していました。
、、、ないんです。否定できる材料が。
しかしこの仮説が正しいとすると、緊急事態です。このまま現状維持では帰れません。
施主様に許可を頂き、玄関庇にバケツ一杯の水を撒いてみました。
OH!NO~!
サイディングの一番下の水切りの上からジャ~ジャ~水が出てきてしまいました。
雨染みのある軒天下にある窓の両側はもちろん玄関ドアの両側からも水が出てきてしまいました。
そうです。おそらく間違いありません。
玄関庇の排水ドレンがつながって無いんです。
上の写真を見直してください玄関庇は下抜きドレンでした。玄関先なのでパイプを壁の中に隠す可能性もあるのでは?
、、、無いんです。その下抜きドレンパイプを通す事が出来るスペースも無いんです。
在来工法の木造住宅ですので、柱の寸法を考えるとパイプスペースがありません。
もし壁の中にパイプを隠して通したとしても、それらしき出てくるはずのパイプもありません。
家の設計図面を見せてもらいました。玄関庇の下抜き排水ドレンとドレンからつながる雨樋を図面上で確認できましたが、そこに雨樋は有りませんでした。
お客様に自分で立てた仮設内容をご説明して、工事までの期間のリスクと緊急性を考えシミの出ている軒天井に穴を開けさせて頂きました。
・・・やっぱりでした(涙)。
応急処置です。
お客様からご連絡を頂き雨漏り箇所の現場確認に伺った一日目の内容です。
排水ドレンがつながっていないと言う、ありえない展開からの応急処置でしたが・・・。
この後にまだつづきがありました。
つづきは次回のコラムでお話しさせて頂きます。