このお宅は在来工法で建てられた日本家屋のお家です。1階の和室天井へ雨漏りし、お困りだという事で早速伺いました。雨漏りする箇所の直上が瓦屋根と外壁との取合いでしたので、その辺りが怪しいと思い良く見たところ、
戸箱の下に外壁の欠損があり、穴が開いていました。又、その左横にも亀裂が発生しており、この辺りが主な原因と思われました。のし瓦の取合いもありましたので、強雨の場合、その辺りからも雨水が浸入するおそれもありますので、複数浸入雨漏りの可能性もあります。
散水試験を実施させて頂き、上記の疑わしい箇所から漏りましたので、外壁の防水塗装及びのし瓦取合いのシーリング処理をし、確認の散水試験を実施したところ見事に漏ってしまいました(-_-;)。そこがどこかと言いますと、
この戸箱そのものからでした。戸箱の鏡板を外してみたところ、
断熱材がそのまま露出しておりカバーも何もなかったのです。これでは戸箱に吹きつけるような強雨の場合、雨漏りして当然です。
このコラムを読まれている皆様は、戸箱から雨漏りするのを御存じでしたか?これが見事に水が入るんです!試しにちょっとした試験を実施してみましょう。
このように戸箱の鏡板を外し、表面に水を掛けると、
裏側にまわると枠の下場から水が漏れているのが分かりますでしょうか?
今度はタテ枠に水を掛けると
水が浸入しているのが分かります。
外壁に面して取付されるものですから雨水が入らないようなシーリング処理がされているかと思われるかもしれませんが、されていないんですね。
このように盲点となる雨漏り箇所がありますので努々気をつけなければと改めて感じた現場でした。