こんにちは!千葉市若葉区にて、雨漏り調査試験修理をしております。千葉店の宮垣です。2016年9月6日に、千葉市花見川区にて、雨漏り散水試験調査を行う事になりました。今回の住宅は築14年建売住宅です。
お客様より、1年位前に南側に増築をなさったそうで、その後半年位してから、増築した部屋の天井から雨漏りがしてきたそうです。当然増築をした業者に原因の追究と修理を依頼して、2回程外壁や床を壊してやり直しをしたそうですが、雨漏りは一向に止まらなかったそうです。そして、その業者は、最後に私共では、考えられる事は全てしたので、もうこれ以上は当社では「解りません」との事?
詳しく話を聞いた所、身内の業者さんに工事をしてもらったそうなので強くも言えないとの事、最終的には、「専門の業者さんに診てもらってください」となったそうです。そこで、困ったお客様は、当社に調査の依頼したと言う経緯です。
現場確認の当日、見た目には非常に奇麗に増築はされていました。増築をした業者曰く、一番疑わしい箇所は全て壊して立上りの床・壁は全て2次防水まで正しく処理したそうです。
確かに疑わしいところは内壁まで剥がしてやり直していましたが、雨仕舞いの観点から、増築した掃出しサッシ下端高さが5㎝ぐらいしかなく、サッシ下端からの漏水を呼び込んでしまう納まりであり、いずれ雨漏りが発生する可能性は高いかと思いました。恐らく旧バルコ二ーとの床面をフラットに繋ぐ為、不陸調整を角材で行った上に下地ケイカル板・またはコンパネを上から造作し、見た目に奇麗に納めたとものと思われます。以上の確認事項から2つの仮説を立てました。
- 天井に漏れている真上の床と壁の取り合い部
- 2階バルコニーのところに設置してある掃出しサッシ下端
以上の仮説に従い雨漏り散水試験調査を行う事にしました。
散水試験当日、まず点検口の開口からスタートです。開けてみて思ったのですが、漏水している真上に旧バルコニー床の排水管が途中で切断されてそのままになっており、どうもその排水管を通って漏れているのでは?と思ったのです・・・・・。それでは雨漏り散水試験の開始です。
①仮説から散水試験を各箇所1時間行いましたが、雨漏りは確認されませんでした。
次に②の仮説です。これも同じく各箇所1時間行いまいた。雨漏りは確認されていません?
次に、漏れている場所から、4M程離れていましたが、旧バルコ二―内壁と新規バルコニー壁の取り合い部を散水試験しました。
なんと、30分経過位から、疑問に思っていた排水管から見事雨漏りの再現されました。
原因を推測致しますと、旧バルコ二―内壁と新規バルコニー内壁の取り合い部の2次防水処理が正しく行われておらず、その部分から侵入した雨が旧バルコニーの上に落ち水勾配なりに4M離れた排水管を通して、増築部天井に漏れたものと考えられます。
今回感じた事は、増築部の取合いは、十分考えた上で2次防水処理を行った方が良い事。旧排水管は流れ出ない様に処理をして置く事の2点です。
今回の調査は、天井の開口を行わなければ、恐らく雨漏りの再現をするのに苦労したと思います。雨漏りは原因が解ると安心からか原因箇所・原因追究に重みを感じなくなりがちですが、私達は、このプロセス一番大切と考えます。今回も増築した業者が、雨漏りの知識をもっていれば、当社に依頼する事もなかった訳ですから・・・・。とにかくお役に立てて幸いです。有難うございました。