止水の処置としては、アルミ手摺架台にウレタン防水を巻き込んだ時と同様、アンテナ支柱にエポキシ樹脂を注入しました。
下は別の設備架台です。
こちらは、顎下を覗いてからの仕様検討です。
水切り(ここでは雨水が庇や笠木などの上裏に伝わらないように設けた溝の意味)がある架台は通常の納まりとなりますが、水切りが無い場合には
押さえ金物+水切り金物
水切りテープ+押さえ金物での納まりにしなくてはなりません。
防水端部の納まりは雨仕舞いという考え方が必要となります。
上の写真ではわかりにくいのですが、黒い斑点のように見えるところが防水層の破れ・穴あきです。
さて、何故ここまでに防水層に穴が開いているのでしょうか?
加硫ゴムシート防水の歴史は古く、建築物の屋上に採用されたのが昭和37年とされています。シート防水のなかでも2番目に古い主要な製品です。
現在ではその出荷量は減少傾向にありますが、弊社の手掛けた物件の中には30年以上前の加硫ゴム系シート防水が機能している物件もあります。もちろん定期的なメンテナンスは必要ですが、10年程度で防水層を改修するのは費用対効果が低いと言っても過言ではありません。
防水保証は5年~10年というのが一般的な年数ではありますが、定期的なメンテナンスを行えば、それ以上に防水機能を維持することは可能であると思います。
質問から話がそれましたので、続きは後ほどご報告いたします。
雨漏り浸出位置は1階廊下天井、1・2・3階給食配膳室天井及び壁面。
陸屋根部分は1階屋根。
教育委員ご担当者様は
『原因はわからないが、まずは浸出位置から1mほど離れた陸屋根を防水したい』とのこと。
壁面のひび割れと防水の納まりを考慮して、新規目地を作成したうえでのウレタン通気緩衝工法を選択。
陸屋根の防水作業は完了。
但し、これでは雨漏りは止まりません。
3階屋上パラペットに防水層を貫通した電線があります。ここに防水シート巻いて完了となります。
]]>外部の状況を診断すると、防水層は一見機能していそうではあるが、水上部分の立上りは笠木下端まで10ミリ程度。アルミ手摺架台部も防水を巻き込んであり侵入した水の逃げ場も塞がれている。また外壁目地、シャッターボックス取り合いも侵入位置として考えられる。
外壁面の散水調査を終え、壁紙に残る茶色の染みあとに覚悟を決め陸屋根防水面への散水を開始。
侵入位置として考えられる最後の位置であったが、5時間の散水でも再現出来ず、雨天のため調査中止。
お客様には時間差で雨漏りの可能性があると伝えると同時に、経過観察をお願いしての帰社。
次回の作戦を練りながら、スケジュール調整をしていた翌日にお客様より雨漏りの報告有り。
2週間の記録により侵入位置の特定となる。
その後、いくつかの雨漏り修繕のご提案のうえ、修繕工事をご発注いただく。
修繕工事のご提案のため、防水層を一部撤去してみると以下の工事履歴が判明。
ゴムアスファルト密着工法
↓
押さえコンクリート
↓
ウレタン密着工法
↓
断熱押さえコンクリート
↓
塗布防水
↓
ウレタン機械固定断熱工法
いろいろとご迷惑をお掛けしましたが、無事工事も完了です。